world





ぐいっ
李「うっ!」
ネクタイを奏太に引っ張られた






奏「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇよ!秀は強いの!格好いいの!……



そんなこと…ないのに…



何でお前は泣くんだよ!



本当に死んだって…思っちまう…



.........だろ」

奏太の手は力無く降りた。





零「李羽…秀の最後…聞かせてよ。」



零だけ…いや、零も正気じゃないのだろう
わずかだが、ハガネ色の瞳孔が開いている。



李「秀は…私を庇って、打たれたのだ。




秀は…私の腕の中で血を吐いたのだ。



秀は…口癖を一回言ったのだ。



《強気男のようであれ》…と…最後に零…」






私は、零の目から枯れるほど溢れる涙を見て、寂しく微笑んだ。




李「私はお前のことを頼まれたよ。《弟を…頼む》とな…」



零に近寄り、金髪の頭に手を乗せた。




李「兄は最後まであんたに気を配っていたんだ。だから…お前は秀に会いに行って笑えよ」




零は…こちらを上目で見て、涙を拭い、綺麗な笑顔を見えた。




奏「え…でも、死んでんだろ」



李「え…あ…仏壇な」



< 66 / 214 >

この作品をシェア

pagetop