GAP SCHOOL ! !☆
それぞれの
須藤リンカ
雨が降りだしそうな曇り空の下、須藤リンカはカフェでそれを眺めていた。
それ、というのは。
リンカは桜色のマニキュアを塗った爪で、それ――手紙――を開いた。
『2年B組 須藤リンカ様
あなたはこの度、我々の政策の一員に
選ばれました。
つきましては、明日、午後4時半に
生徒会第二教室へおいでください』
「政策って、なに?」
誰にともなくつい、呟く。
これは今朝、学校について下駄箱を開けたら入っていたもの。
だから誰が差出人かもわからないし、ただの冗談なのかもわからないのだ。
リンカには友達と呼べる人がいない。
理由は……
「ねぇ、そこのキミ一人~?俺達と遊ばな~い?」
俯いていた顔を上げると、耳に重たそうにピアスをいくつもつけた男がいた。
その後ろにもその男の友達であろう人達が3人。
またか、とリンカは思う。
「ごめんなさい、彼氏と待ち合わせをしているの」
にこり、と柔らかく微笑むと男達は残念そうに去っていった。
本当は彼氏なんていないし、待ち合わせなんて大嘘。
男が嫌いだから、断る。