GAP SCHOOL ! !☆
「こっちは分からないんだけど、リンカ宛かな?」
兄が差し出したのはピンクの封筒。
今時、携帯あれば済むのに一体誰?
…まぁそもそも、あたしのアドレス帳に友達なんて登録されてないけども。
ピリピリとその場で開けてみると、普通に便箋が入っていた。
『ちょっと可愛いからって調子乗りすぎ。
男に媚び売るとかありえないキモすぎぃ
アタシの彼氏に手出さないでくれる?
性格ブスさぁん』
と、それだけ書いてあった。
明らかに嫉妬した女からの手紙だ。
わざわざ可愛い封筒にするところがよくわからない。
真っ黒な封筒とかだったら、少しは怖がってあげるのに。
「なにそれ、悪口書いてるつもりなのかな?」
兄が手紙を読んで、少し笑った。
「そうなんじゃない?こんなんじゃビクともしないのに」
あたしは手紙を封筒に戻すと、そのままゴミ箱に放り投げた。
「さすがは俺の妹だね」
よしよし、と頭を撫でられる。
兄はあたしの心がこんなものじゃ揺らがないことをわかってる。
しかも、兄もこんな手紙をもらったりするから、同じ境遇として慰めてくれたりした。
別に気取ってるつもりはないのに。