GAP SCHOOL ! !☆
ぽつ、ぽつ、と降りだした雨が制服を濡らす。
手に持っていた傘を開いて、彼女の上に差してやると、
「あ~、今さらそういう感じの要らないからぁ!もう終わりでいいよあたしたち~、ばいばーい」
それだけ言い残すと、彼女は駅に走り去っていった。
(なんかまたよくわからない理由で振られちゃったなぁ)
青い無地の傘を差して歩きながら、独り身になったのに春輝は浮かれていた。
次の女の子はきっと本当の俺を見てくれるはず。
そんな希望を胸に。
そしてその希望は、儚く散るとも知らずに。
歩き出して数分、とあるマンションについた。
ここが春輝の家だった。
部屋の鍵を開けて、風呂のスイッチを押しておいた。
雨に濡れたから制服を乾かさないと、と思ったとき、ふと、手紙のことを思い出した。
朝、下駄箱に入っていた差出人のわからない手紙。
制服の胸ポケットに手をいれて、それを引き抜いた。
『2年D組 片岡 春輝様』
それだけ読んだとき、風呂場からピーっピーっと音がした。
(あ、蓋閉めてなかったや)
春輝はテーブルに手紙を置いて風呂場へ走った。