GAP SCHOOL ! !☆
神崎 雪
(やっぱり可愛いなぁ)
ウィンドウからつぶらな瞳でこちらを見るクマのぬいぐるみ。
赤いリボンが似合っている。
神崎 小雪はそれに釘付けになっていた。
1週間前くらいに見つけて、学校の帰り道に毎日眺めて帰っていた。
もっと私がふわふわした女の子ならよかったのに、と小雪は思う。
そうしたら、迷うことなくこのファンシーなお店で買い物できるのに。
小雪の身長は172㎝あり、黒のショートカット。
顔つきは可愛いというより、どちらかと言えばクールと言われる部類にいた。
小雪より小さい男子は昔から多く、『小雪っていうか、大雪?』なんて昔からからかわれてきた。
が、しかし。
見た目に反し、小雪は可愛いものが大好きで純粋な恋に憧れる乙女だった。
本当なら放課後だって、ほら――今、前を歩いてくるカップルの様に男の人に甘えてみたい。
何度か付き合った人はいた。
でも、みんな『性格がキツすぎる』と、離れていった。
小雪は自分でも不思議なくらいに素直ではなかった。