GAP SCHOOL ! !☆
飛鳥 斗麻
「おぉ?お前"アスカ"だろ?」
「ん?」
下校途中、飛鳥 斗麻は妙な人に絡まれていた。
何が妙って、その人の格好が。
ズボンはだるだるに下げられ、髪は赤いしピアスの穴は開きすぎ、しかも喋ったときちらっと見えた舌にもピアス。
Yシャツには、もはやボタンが1~2個しか見当たらない。
制服はほどほどにしか着崩さない斗麻には、不思議でしかない格好だった。
「お前誰?」
斗麻はこんな人は見覚えはない、と訝しげな目を向けた。
というより、そもそも、こんな人を見たら覚えているはずだ。
「あ?こないだヤリあったっしょ?あーん?オレが弱すぎて覚えてねぇとかほざく気か?それとも記憶ブッ飛んでんの?ギャハハッッ」
なにがおかしいのかわからず、斗麻はとりあえず首を傾けていた。
「なんなのキミぃ、そのふざけた態度?オレ様もう弱くないぜ?」
頭が弱そうだな、と斗麻は冷静だった。
同時にまたこれか、と思った。
斗麻は中学のときからこういう人に絡まれていた。
原因は、この目付きの悪さ、人相の悪さ。
特に関わった覚えはないのに、次々と街の不良たちに殴りかかられたこともある。
目があっただけなのに、睨んでいると思われたらしい。