夢色、虹色、涙色
2月14日 バレンタインデー
いよいよ告白する日が来てしまった。

朝からドキドキが止まらない。顔も見られない。
リョウが授業中小声で話かけてくる。

「どした?具合悪い?」

ううん違うよ。頑張れ!さや!

「今日、予定ある、、?」
言ってしまった。
思春期の男なら意識しないバスがない。今日はバレンタインデーなのだから。

「ん?ないよ。何もない」
もう、どうして良いかわからなかった。

「一緒に帰りたいの」

「うん、下で待ってる」

コソコソ話に先生が気づいて、注意される。
もうそんな事はどうでも良かった。
きっと顔が赤くなってる。
1日ドキドキが止まらなかった。



この時、リョウは何を思っていたのだろう。
これから自分の身に起きる出来事を。
彼もまた、どうすることも出来ない15歳の少年だったのだから。




< 9 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop