《詩集》夢枕

起床

『起床』


街が目を覚ます頃
射し込む朝日に涙が出て
落ちた滴を追うように下を見た

愛だって情だって
言葉にして吐き出せるほど
単純じゃないけれど

手を繋ぐ

ただそれだけで
満たされることだってあったのに

ああどうしよう
絶望的だ
そんな風に言えたなら

きっと可能性は有ったんだろう

それでも人は忘れてく生き物で
僕は慣れていく生き物で

また明日

そんな約束ばかりして
夜が明けるのをひとり待つんだ

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