《詩集》夢枕

心音ワルツ

『心音ワルツ』


立ち込める暗雲に
流されてくこの心音は
いつの間にやらリズム良く
四分の三拍子を刻んでる

雨と共にサラサラと
消えていくのは運命だから

せめて最期はワルツで終えよう

ステップ踏むたび
崩れ落ちてく螺旋の階段
宙を掻いてる寂しい両手

一度踏み外したらもう最後
戻り方が分からない

だらしない涙腺
溢れる寸前
抑え込んでた表面張力

それらは終に破裂して
降り出した粉糠雨が
誰かの感情に同調してく

細かく軽く
けれどゆったり
旋回しながら
ループするように

ただ淡々と足を鳴らして
スローテンポで

さよならなんて言いながら
嘗てのぬくもり引き摺って

上を目指して踊ってく

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