星の導き
みんなだいぶ打ち解けたみたいで、ワイワイ話し始める


さっきミルが出してたお菓子の山を食べながら…ね


まだこの世界にきて、ちょっとしかたってないけどだいぶあたしも慣れてきたかな


あたしって現実と違うことが起こったら、混乱するタイプだと思ってたけどいざそういう状況になったら結構その場に馴染めるタイプだったんだなと思う


お姉ちゃんが言ってたとおりあたしがバカだからなのかな?


いや、少なくともバカじゃない。多分…


「光がいた異世界ってどんなところだったんですか?」


「え?どうしたの急に?」


あたしが考えていたところにハクが急に言うもんだからびっくりしたよ


「今、みんなで母国について話してたんですよ」


「へーそうなんだ…っていうかここ国あったんだ」


「あるに決まってるだろーが。バカか?」


「ルウ!言葉を選べ」


ネコにバカっていわれた

地味にショックなんだけど…


ルウってサングラスかけてるし、口調も荒いしユウとは正反対だよね…


「そっか光はまだ知らないんだよね。この本読んでみるといいよ」


ユウの手に今までなかったはずなのにどうして?



「ああ。これも魔法だよ。日常魔法っていうのに分類されるんだけど…ま、この本読めば大体この世界のことわかると思うよ。そこに書いてあるのこの世界の人々にとって当たり前のことだから」


魔法って結構便利なんだね


それよりユウの持ってる本なんか堅苦しそうでやなんだけど


本読むの得意じゃないんだけどな〜


星についての本は別だけど


でもこの世界についての知識はあった方がいいし…


一応あたしは受け取ることにした


「結局、光がいた異世界はどんなところだったのさ!」


ベルが偉そうに腰に手を当てていう


ベルってなんかミルの保護者見たいだよね…


多分ミルが子供っぽい性格だからかもしれないけど、この二人も逆だよね


そういえばアグルが真面目っぽいのに対して、スグルは逆だよね


「この世界とは全然違うよ」


違いなんてありすぎてこんくらいしか言えないし


でもなんかやっぱ元の世界戻りたいな


みんなどうしてるのかな?


「ずいぶん雑な答えですね」


そんな悲しみもアグリの一言で吹っ飛ぶ


「光なんかさみしそう」


ミルが冗談抜きでそういう


子供っぽい性格のミルが、ものすごくさみしい顔でいうものだから少し驚いた


ミルの隣のスグルも同じ顔をしていた


さっきまであんなにむっすーっとしていたスグルもそういう顔をするもんだからこっちにも驚く


「本当はこんなこと言っちゃいけないんだけど…」


ユウが腕を組んでいう


「光が元の世界に帰る方法はあるよ」


え?


ユウの言葉に驚いたみんながそっちをむいた
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