堕天使に降り注ぐ光
第1章『ニシキギ:危険な遊び』
「やるよ」
人気の無い教室に、あたしの声が響く。
放課後の教室は授業中の賑やかさは無く、真夏という季節のお陰で暑さを増長する蝉の鳴き声と、体育会系の部活の活気のある掛け声だけが、耳障りな程に聞こえている。
そんな中、圭子と由香は見張りとして教室の入口に立っていた。
陽菜(ひな)の机を取り囲んでいるのは亜由美と千春、そしてあたし。
みんな満面の笑顔で、あたしの言葉に頷いた。
その光景だけを見れば、仲良しグループが放課後の教室で、親睦を深めているように見えるかもしれない。
若しくは好きな男子の机を囲み、和気藹々と盛り上がっているように見えただろう。
しかし、これからあたし達がしようとしていることを知れば、『今の子は何を考えてるか理解らない』『どんな育て方をされたんだ?』などと、口を揃えて言うはずだ。
だって、あたし達がしようとしていることは、まさに『血も涙もない』人の道を外れたことだから――
人気の無い教室に、あたしの声が響く。
放課後の教室は授業中の賑やかさは無く、真夏という季節のお陰で暑さを増長する蝉の鳴き声と、体育会系の部活の活気のある掛け声だけが、耳障りな程に聞こえている。
そんな中、圭子と由香は見張りとして教室の入口に立っていた。
陽菜(ひな)の机を取り囲んでいるのは亜由美と千春、そしてあたし。
みんな満面の笑顔で、あたしの言葉に頷いた。
その光景だけを見れば、仲良しグループが放課後の教室で、親睦を深めているように見えるかもしれない。
若しくは好きな男子の机を囲み、和気藹々と盛り上がっているように見えただろう。
しかし、これからあたし達がしようとしていることを知れば、『今の子は何を考えてるか理解らない』『どんな育て方をされたんだ?』などと、口を揃えて言うはずだ。
だって、あたし達がしようとしていることは、まさに『血も涙もない』人の道を外れたことだから――