堕天使に降り注ぐ光
「奈々……奈々?」


「えっ?何?」


あたしは名前を呼ばれて顔を上げた。

すると、亜由美と千春は見張りをしていた由香と圭子と入れ代わっていた。

あたしは4人が入れ代わっていることに、それまで全く気付かなかった。


「マジ顔が怖いんですけど」


「……あははっ!ごめんね。なかなか言葉が思いつかなくてさ」


あたしは咄嗟に苦し紛れな言い訳をした。

何故なら、あたしの手にある教科書はこれで3冊目だったからだ。


「その割には、奈々が1番多く書いてるよ?」


無理のある言い訳だとわかっても、そこはあえて受け流して欲しかった。

だけどあたしの気持ちを知らない由香は、痛い所をズバッとついた。

2人は手を休ませて、あたしを見ている。

その目から、どこと無く引いていることがわかった。


「そんなのどうでもいいじゃん。終わったなら、さっさと教科書とノートを片付けな」


 
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