堕天使に降り注ぐ光
胸元まであるサラサラな髪を茶色く染めて、化粧までしている亜由美は、5人の中ではリーダー的存在。

いや、あたし達だけではない。

亜由美は”不良”の部類の先輩に可愛がられていて、大半の同級生は亜由美に一目置いている。

その亜由美に一喝されたものだから、由香と圭子は慌てて教科書やノートを片付け始めた。

それを見ていた亜由美はあたしに視線を移すと、ニッコリ微笑んだ。

亜由美は何故か、他の3人よりも特にあたしのことを気にかけている。

確かに他の3人よりは気が合う。

だけど理由はそれだけ?

それにあたしよりもお姉さん系のキャラなのに、あたしには甘えてくるし、今のような状況の時は、例えあたしが悪くても絶対にあたしの肩を持つ。


「片付けたなら、そろそろ引き上げようか?誰かに見られたらヤバイし」


亜由美はあたしに意見を求めている。

これも何時ものこと。


「そうだね。あ〜でもスッキリしたぁ!明日が楽しみ」


 
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