君の声が聞きたい
あー、やっちゃった…。
凹みながらも、その後は真面目に授業を受けた。
と言っても、聞こえないので板書をしつつ教科書を読むだけ。
授業が終わればお昼のメンバーが集まってきた。
“どうしたの?優莉が授業中にボーッとするって珍しいじゃん。”
「あー、うん。ちょっと考え事してた…かな。」
まさか後輩の男の子の事を考えてたなんて言えない。
恋だのなんだのって誤解されるのはどう反応していいか分からない。
“えー、考え事って!もしかして!好きな子でも出来たー?”
「いやいや、そんなんじゃないって。」
案の定キラキラした瞳で迫られて、苦笑混じりに否定する。
本当に、そんなんじゃないから。