君の声が聞きたい
彼の言う通り、いつか取り返しのつかないことになりそうで怖い。
瞳は酷く冷たかったのに、その奥深い部分では戸惑っているように見えた。
怒りと、何かを恐れるような目。
世界に耳を閉ざすのと、何か関係があるの?
やっぱり、彼が気になる。
どこか、不安定でほっとけない。
明日、会いに行って見ようかな…。
クラスは分からないけど、彼ならきっとあの屋上に来る。
だから、屋上に行けば会える気がするんだ。
今までだって気になってたし、行こうと思えばいつでも行けたけど、行ってどうして良いか分からなかった。
でも、明日なら行ける気がする。
今日のお礼という名目で…。
私は勝手に1人で決意すると、再び細心の注意を払いながら帰路についた。