君の声が聞きたい
俺は夢の中にいながら、強烈な吐き気に襲われて両手で口元を覆った。
この夢は、いや、この記憶は俺を縛る呪い。
小学4年生の丁度今くらいの時期だった。
クラス替えで新しい顔をやっと覚え始めた頃、俺のクラスで虐めが始まった。
ターゲットは俺じゃ無かったけど、当時気が弱かった俺は虐めをしてた大将みたいな奴に目を付けられて虐めに参加した。
今でも脳裏にしっかりとその時の記憶が焼き付いている。
無理矢理言わされた暴言の数々が俺の頭を渦巻いて離れない。
1学期が終わる頃、ターゲットにされた子は転校していった。
クラスでは、虐めが先生に知られ大問題になった。
犯人探しを始める先生に、俺は生贄として大将だった奴に差し出された。
どんなに弁明しても聞き入れられず、沢山の大人に説教と言う名の綺麗事を散々聞かされた。