君の声が聞きたい

ふと場面が切り替わる。

俺は海の中にいた。
静かな海に、1人ゆっくりと沈んでいく。
だが、突然沢山の声が聞こえた。
胸が苦しくなるような聞き覚えのある暴言の数々。
これは、俺が過去に言った言葉達だ。

静かだった海に、鋭い言葉が反響する。
汚い言葉、下品な笑い声たち。
ボワーンと幾度も反響して俺を苦しめる。
耳を必死に塞ぐが、僅かな隙間からも容赦無く俺を叩く。

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俺はそこで目を覚ました。
青い空が目に飛び込んでくる。
耳には相変わらず激しいロックサウンドが大音量で流れていた。


「なんで、今更こんな夢…」


手にはグッショリと汗をかいていた。
息も軽く上がっている。

落ち着くため、持っていた鞄の中から水の入ったペットボトルを探すが見つからない。
買いに行くか…。
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