不器用な恋愛
キスをしたあと
本当に,ほんっっとうに押し倒しそうになった俺。
…でも再び鳴り出した雷の音で我に返った。
気恥ずかしさと冷静さが入り交じって出てきた俺の言葉は…
『ごめん…』
だった。
なんでかはわからん。
けど岩崎瑠璃の今にも泣きそうな瞳を見たとき
そう思ったんだ。
『ごめん』が,しっくりくる気がしてさ?
それが的確だったかはわからないが……
帰りのバスの中まではけっこう何事もなかったかのように話せたのに
何で今頃なんだ??
「…ってやっぱ俺のせいか?」
「ですね。」
琢磨は大きなため息をつく。