不器用な恋愛
好きな人には好きな人がいる。
しかもそれは俺の兄ちゃん。
俺の存在は…兄ちゃんの弟。
つまり好きな人の弟にしかすぎない。
初めての本気の恋の相手には
好きな人がいる。
恋愛で初めて流した涙。
自分の情けなさと虚しさに
胸が焼きついて倒れそうだ。
そんな胸の焼きつきを癒すように
涙は流れ続けた。
誰もいない部室にただ一人
俺は膝をついて床に座り込んだ。
ひんやりと冷たい床が
なんだか今は有難い。