王子なカノジョと姫なカレ
「――ねぇ、ここって」
星加に連れられ(というか引きずられ)、やって来たのはとあるクラスの前。
「そう、例の姫のクラスよっ」
「うん。どうやらそうみたいね」
教室の前には女の子の群れ。
どこを見ても、頬をピンク色に染めた女の子ばかり。
その子達はみんな黄色い声を出している。
「で。一体なにごとなのよ、星加」
制服を引っ張ると、星加は目をカッと見開いて私の肩をがしりと掴む。
「だーかーらー、大変なのよ!」
「だから何がって聞いてるのに…」
「見ればわかる! ほら、行くよ」
「ちょっ、星加…!?」
はいはいそこ通してねー、と女の子の人混みをかき分けて行く。
そこで見たものは――――…