君が笑うとき
「俺の絵ばっかじゃねえかよ…」


そこには笑っている絵、寝ている絵、怒っている絵…


何十枚もの俺の絵があった。


俺は涙が止まらなかった。


絵の上にポタポタと涙が落ちて絵の俺がにじんだ。


まるで、絵の中の俺も泣いているみたいに…。


「なんで…どうしてだよ…。なあ、麻由…。どうして言ってくれなかったんだ…」


俺は麻由の気持ちが痛すぎて…苦しかった


それと同時に、自分の鈍感さが悔しかった。


なんで 夢の気持ちに気付いてあげられなかったんだろう


麻由の何を知ってたんだろう……



あんなに近くにいたのに

あんなにそばにいたのに

あんなに…

―――――――――…


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