君が笑うとき
「…お前、なんでこんなところにいるんだよ」


すると麻由はキョトンとしていたがすぐに微笑んで言った。


「わたし、最近ここで絵を描いてたんだ」


「え?じゃあ学校はどうしてんの?」


「行ってるよ。定時制だけどね」


「あ…はあ」


「絵の大学行きたいから、学校のない午前中は絵の勉強してるんだ。それで、今これを描いてるの」


麻由は絵筆を軽く振りながら何かを指でさした。


彼女指を追い、俺たちは見る。


その先には、めいいっぱい咲く、ひまわり畑があった……


< 21 / 201 >

この作品をシェア

pagetop