君が笑うとき
「こんなのあるなんて知らなかった…」


ポツリと翔太が言葉をこぼした。


俺も知らなかった。


もうこの学校に2年間いるのに


まともに風景なんて見たことなかったんだ。


いつも同じような生活しかしてなかったから…


「キレイでしょ。偶然ここを通りかかったとき、描きたいと思ったんだ。」


麻由は絵筆を持ち直し、また絵を描き始めた。


彼女が描いている絵はすごく幻想的だった。


俺は絵の才能はないから、そんな難しいことは分からないけど。


そんな俺にも何かを感じた絵だから、コイツは相当すごいのだろう。



これが…俺と麻由の始まりだった。



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