君が笑うとき
「ふーん。目ねぇ…」


俺は笑いをこらえて言う。


それを見た麻由は口をヘの字に曲げ、軽く舌を出した。


「絵は見たものが残るでしょ」


「写真でいいじゃん」


俺は両手の親指と人差し指を使って、写真を撮るマネをした。


「あたしも写真がいいと思ってた。でも、センスないからやめろって言われてさ~。ほ
ら、コレあたしが撮った写真」


はい、と渡してきた写真はどこを撮っているのか分からないし、結構ボケている。


「うわぁ…」


俺はまた笑いがこみあげてきて口がゆるく曲がった。
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