君が笑うとき
「不思議だね」


「え?何が?」


「コウくんが」


…え?『コウくん』って…


「…お前、今俺のこと『コウくん』呼んだ?」


「うん。呼んだ」


「え~…。なんか幼稚園児みたいだしー」


「いいの!コウくん、幼稚園児みたいだもん」


「は!?うっぜぇー」



わけ分かんねえやつ。


よく笑うし、


勝手にあだなで呼ぶし、


変な奴だし…


こんな奴初めてだと思う


でもそんな麻由が面白くて…


俺の目の中にかすかな光が入ってきたような気がしたんだ。


暗闇でただうずくまっていた俺に


手を差し伸べてくれたような気かして…


嬉しかった―――――――――

< 27 / 201 >

この作品をシェア

pagetop