君が笑うとき
「そういえば、隣の町でお祭りやってたっけ」


麻由はそう言いながらコップに入っている水を一口飲んだ。


「へぇ…」


『祭り』かあ…


「来週は、ここで祭りやるらしいよ」


「お前、行くの?」


「ん~…分からない」


「…じゃあ、そこの祭り行かない?」


俺は麻由に言った。


これじゃあ、『デートのお誘い』じゃん…


断られると思ってた。


しかし彼女は


「行く行く!楽しそうだもん♪」


と言ってあっさりとOKしてくれた。


「え?いいの?」


「うん。ダメ?」


「いや…。分かった」


嬉しかった。


麻由の笑った顔がたくさん見たくて…


俺はその嬉しさをかみしめた。
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