君が笑うとき
「…タクヤと付き合えば?」


俺は小さい声で言った。


翔太の名前は言わなかった。


翔太は一応付き合ってる奴いるし…


でも女は目をウルウルさせて言う。


「あたしはぁ、幸介くんがいいのお」


いい加減しつこい…



俺がイラッとしたときだった。



翔太がそんな俺の気持ちを察したのか、俺に近づいて言った。


「こんな奴、だめだって!コイツ、女と付き合ったことないもん。タクヤのほうが、絶対いいって♪」


そう翔太は女たちに言うと、素早く俺の手を引っ張って別のところへ移動した。


「俺の隣にいれば、大丈夫だから」


翔太は小さい声で言って、ほほ笑んだ。
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