Bounce Girl と Shiny Boy




『翔くん、今日放課後空いてる?』


『ごめん。俺、バイトだから』





女子からの告白なんて
悪いけど聞く時間がもったいない。




俺にはもう好きな人がいるから。







『あーあ。嘘言っちゃったね。
ほんとはバイトなんてしてないのに』



『内職』



『え。お前が内職とか想像できねー』






話しかけてきたのは真生じゃなくて唯





そう、あの唯だ。


できれば今はあんまり喋りたくない。





『おたくの陽菜ちゃん、ほんと
可愛い。俺、好きになったかも。』


『だろ。』




陽菜といて好きにならない男は
いない。



それほど陽菜は可愛い。





『告白しちゃおうかな〜〜』






ドクン






俺は何も言えなかった。



だってその恋は叶ってしまうから。





陽菜は唯を好きで
唯も陽菜が好きなら



他の誰かが入る隙なんて
あるわけないじゃん。





彼氏が出来た唯に俺はちゃんと
おめでとうって言えるかな。




そもそも俺と話す時間なんて
なくなっちゃうんだろうな。





いつから俺は陽菜のことで
こんなに弱くなっちゃったんだろう。





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