彼の『好き』は私、限定。
そんな掛け声と共に
―グイッ
と夏目は私の腕を掴んだ。
「うわぁっ!?
ちょっ…夏目ーっ?」
夏目…あんた
女の子だよねっ!?
力強すぎでしょ~
ますます見た目から
考えられない性格してると思っちゃうんですけど…
「さー、いこうっ♪
目指すは、イケメン♪」
やっぱり、夏目のノリには
私、どう考えても
…ついていけない。
「もうすぐ
ホームルームなのに……」
そう呟いた私の声は、
どこへともなく、消えた…
あぁ、あい変わらず
ついてないな、私。