リナリアの王女2
 サラちゃんがせっかくくれた時間。
真剣に考えてみよう。


好きと愛してるの違いを。


大切と愛してるの違いを。


いつの間にか置いてけぼりの気持ちを見つけ出して引っ張ってあげよう。
必要ならば、クラウドと話し会おう。

向き合う事から逃げ出してはいけない。
彼はいつも真摯に私に向き合ってくれている。

私のこの気持ちが彼をまた傷つけてしまうかもしれないけれど、サラちゃんが言ってくれたように、私が気持ちを偽ってクラウドと一緒になったとしてもクラウドは喜ばないだろう。
だったらしっかりと話し合った方が良い。
そうしたら私の迷子の気持ちも見つかるかもしれない。
この年齢で誰かと結婚する事になると思ってもみなかった。
だからこそ悩んでいるのかもしれない。

好きな人と一緒になる、それは幸せな事だろう。
どんなに望んだって叶わない人だっている。

でも、まだ気持ちが追いついていない私にはそれが本当に幸せな事なのか判断が出来ないのだ。



クラウド・・・ごめんなさい。



すぐに迷ってしまう私を彼はどう思うのだろうか。






私はその夜、眠りにつく事が出来なかった。





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