心の恋愛事情
結局花火が打ち上げられるまでの３時間弱、私たちは屋台で食べ物を買っては校庭の隅で座って話をする、という行動を繰り返した。
会話も、いつものような他愛もない会話ばかり。
本当祭りに来た意味があるのか？と疑問に思ってしまった。



花火の打ち上げ時間になり、私たちも花火の見やすい位置へ移動することにした。
しかし皆考えることは同じだった。
私たちが歩道橋へ行くと、つい先ほどまで誰もいなかった歩道橋に人だかりができた。正直、歩道橋が壊れるのでは？と思ってしまうくらいの人の多さだ。
集まった人で押し合いがはじまり、軽く満員電車状態になってしまった。おかげで自然と人と人がぶつかりあう。
他人と密着するのはどうでもいいが、その人の波で祐とも密着してしまう…。祐は祐で私が人に潰されないようにかばってくれる…。
その状態がやたら恥ずかしく、一人テンパってしまい優雅に花火を観賞する余裕はなかった。




帰り道、結局祭り堪能できんかったね、とはなしをしながら歩いていた。
いつもの分かれ道で、いつものように手を振って別れた。







…こうして私たちの初デートが終わった。




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