心の恋愛事情
カウントダウン
季節は巡り、樹々から葉が舞うようになっていた。
「祐は高校どうするの?工業?」
皆志望校が決まり、本格的に受験シーズンに突入していた。
私たちの会話も自然と受験の話になる。
「いや、担任に俺の成績だと工業も危ないって言われたけん水球の推薦で受けようと思う」
「…え、G市の高校ってこと?」
私たちの市の全中学校では、水泳部に対して“水球の推薦”というのがあった。
大体の人は水球に興味がない、学校が遠いという理由でこの推薦を受けないのだけれど…
どうやら偏差値のかなり低い工業高校ですら危ない、と言われるような馬鹿はこの推薦に頼るしかないらしかった。
「おぅ。って“どんだけ頭悪いんだよ”って顔すんなや」
「いや…だって工業すらダメって…。頭悪いんは知ってたけどさぁ」
「…うるせぇ。お前は?どこ行くん?」
「ん、高専行こうと思ってる。一応推薦も貰えるし」
「そっか。んじゃお互い市外に出るんか」
「…うん、だね」
“遠距離恋愛”
その単語が頭をよぎった。
「祐は高校どうするの?工業?」
皆志望校が決まり、本格的に受験シーズンに突入していた。
私たちの会話も自然と受験の話になる。
「いや、担任に俺の成績だと工業も危ないって言われたけん水球の推薦で受けようと思う」
「…え、G市の高校ってこと?」
私たちの市の全中学校では、水泳部に対して“水球の推薦”というのがあった。
大体の人は水球に興味がない、学校が遠いという理由でこの推薦を受けないのだけれど…
どうやら偏差値のかなり低い工業高校ですら危ない、と言われるような馬鹿はこの推薦に頼るしかないらしかった。
「おぅ。って“どんだけ頭悪いんだよ”って顔すんなや」
「いや…だって工業すらダメって…。頭悪いんは知ってたけどさぁ」
「…うるせぇ。お前は?どこ行くん?」
「ん、高専行こうと思ってる。一応推薦も貰えるし」
「そっか。んじゃお互い市外に出るんか」
「…うん、だね」
“遠距離恋愛”
その単語が頭をよぎった。