心の恋愛事情
「え、喋ってるって。多分」
「いや、いつもの会話だってお前が話すのは友達のこととか“お前の周りの事”だもん。自分の事何も話してないよ?」
「………そう、だっけ?」
全く気付いていなかった。
「俺がお前の誕生日知ってるのが奇跡に近いし」
そんなに私は自分の事を話していなかったのだろうか…
何とも言えない衝撃を受けた。
それと同時に“そんな何も知らない女と、何故付き合った?”という疑問が浮かんできた。
確かに告白するように仕向けたのは私だ。
それでも…仕組まれたと言っても、彼が私に好意を持っていたことに変わりはない。
何故―――?
恋愛なんて、こんなもの??
真実を確かめる勇気を私は持っていなかった。