心の恋愛事情
新学期が始まり、数週間が流れた―――




無事私立の入試も終り、合格通知を貰った。
次は本命の推薦入試の面接だ。
切羽詰って勉強しなければならないわけではなったので、スイミングの練習は毎日行っていた。
それは祐も一緒だった。


帰り道の祐との会話はお互いの入試のこと。
基本的に私が一方的に弱音を吐いていた気もするけれど…
祐はいつもそれを聞いてくれていた。






推薦入試の合格発表の日、私は担任に職員室に呼び出された。
職員室に行くと、隣の印刷室へ連れて行かれた。
担任と向かい合って椅子に座る。





―――担任から聞かされたのは“不合格”という言葉だった。






何となく予想していた。面接がボロボロだったから…


担任と、これからのことを少し話して私は教室へと戻った。
友達にやっぱダメだった〜、と言ったらそっか、と言って抱きしめてくれた。


…彼女の優しさに、徐々に悔しさがこみ上げてきた。
私は静かに泣き崩れてしまった。

最初は宥めてくれていた彼女も一緒になって泣いてくれた。
それがとても嬉しかった。






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