心の恋愛事情
この前と同じ印刷室。
この前と同じように担任と向かい合って座る。


唯一違ったのは、担任の口から『合格』という言葉を聞いたことだった。
私はクラスに戻り、結果を待っていた友達に報告した。すると、これで自分の受験に専念できるよー、と言ってきた。
そんなに心配してもらっていたのか、と思って嬉しくなった。





今日からスイミングの練習も再開する。
行く途中、遥か先のほうに祐らしき人を発見した。
私は自転車のスピードをあげ、その人物に近づく。


「祐ー!!」


私は思いっきり叫んだ。
ブレーキ音がして、自転車が止まった。
そして祐がこっちを振り向く。


「うわっ…吃驚した…。どしたん?」

「受かったよ!高専!!」

「マジ!?スゲぇ!!さすが雅さん!!!」

「ちょー頑張ったよ、私!!」


祐も一緒になって喜んでくれた。
祐が合格した時は一緒に喜んであげれなかったのに…



「遅くなったけど…祐も合格おめでとね!」

「おぅ!!さんきゅ!」








しかし、この合格通知は―――…















私達に突きつけられた“遠恋”という挑戦状だった。



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