心の恋愛事情
「……お前は…それでいいの…?」
電話の向こう側から少し震えた声が聞こえてきた。
多分、精一杯声を振り絞っているんだろう。
私が元彼に振られた時もそうだった…
「…うん」
「…ん、わかった。……約束、守れなくてごめんな」
「……」
私は静かに電話を切った。
―――あぁ、振るほうも辛いんだ…
自分から振ったはずなのに、涙が出てきた。
別に、祐のことが嫌いになったわけじゃない。
確かに祐の子どもっぽいところが嫌いだった。
私を試したことが凄く許せなかった。
それでも―――
会いたいと思ったときに会えないのが一番辛かった。
こうして私達の恋愛は終わった。
“遠恋”という大きな壁に私達は負けてしまったのだ。
―――違う、負けたのはきっと私だけだ…
私達はまだ15歳という子どもだった。