心の恋愛事情
いつもの様に私と結花は寮の食堂へ向かった。
大概の人は部活をしているので、5時過ぎに食堂にいる人はかなり少ない。
私達は混雑した食堂が嫌いなので、いつもこれくらいに来ていたのだけれど。
寮の食堂は、一応自由に座って良いが、暗黙の了解で学年・性別で座る位置が決まっている。
4年生が座る場所には数人しか座って居なかった。
「で、結花のお目当てはどれなん??」
「ん〜…まだ来てない…みたい」
結花が少しキョロキョロする。
何だかその探し方が、恋する乙女って感じで可愛く思えた。
私は、入り口の方をじっと見ている結花をみて微笑んでいた。
「あ!来た!!」
結花が突然目を見開いた。
私も慌てて入り口の方を向くと、3人の男子が入ってきたとこだった。
「え、どれ!?どの人?」
「真ん中の人!メガネかけよる!!」
特徴のあるメガネをかけた、少し茶髪の人だ。
「カッコイイじゃろ!?」
「うん、確かにカッコイイ!!」
「安井さんて言うんじゃ〜。連絡先交換出来んかなぁ〜?」
「誰かに頼んだら?」
「うん!そうする」