心の恋愛事情
「ねぇ?雅は?」
「ん?何が?」
「祐君と別れて、他に気になる人いないの?」
「あはは、いないよー」
「作ればいいのに!結花は今安井さん見てるだけで楽しいよ」
確にね。
片思い中の時期って本当に楽しいと思う。
でも、祐と別れて直ぐに別の人に…なんて事、私にはできなかった。
だってね、
心のどこかに、祐がまだいる。
それが正直なとこだった。
少し寂しい右手の薬指も、鳴らない携帯も、祐がいない事を主張していたから。
祐を忘れる事は出来なかった…。
私が振った、という事実が私をうしろめたくさせた。