心の恋愛事情
1章:幸せな時間
小さな幸せ
告白を受けた翌日―――
学校ではクラスも違い、接点がなかったから良かったものの、スイミングの練習中は私も祐も妙に意識してしまい、かなりギクシャクしてしまった。
2時間の長い練習が終わり、いつものように着替えてフロントへ出ると先に着替え終わった男子達が集まっていた。
いつも何人かは、フロント付近で話をしながら迎えを待っていた。それに便乗してチャリで来ている人もしばらくそこで話をしている。
祐も便乗している一人だ。
私は門限があったため、着替え終わると直ぐに帰るようにしていた。
私はいつものようにフロントに出るなり、お疲れ様でした〜と言ってドアを開けた。
すると後ろから祐の声が聞こえた。
「俺らももう帰ろうぜ?」
―え?まだ9時半だよ?
いつも10時過ぎまで話こんでるはずなのに…
私は後ろを気にしながら外へ出て、自転車置き場へと向かった。
すると少し遅れて男子達もぞろぞろと外へ出てきた。
チャリ組がそれぞれ自転車にまたがり、お疲れ様〜と言いながら各方面へ散らばっていく。
――私と同じ方向へ帰るのは祐だけだった。