君に聞いてほしい


「……」

き、気まずい……!

今の状況を説明しますと、さっき花香さんが息子さんを迎えに行ってしまい、その間に私は要宮さんと家にお留守番で、二人きりなんです…!

「緊張しなくていいよ?僕、学校と家とでは態度違うから。ちなみにこっちが本性だからね。」

「は、はい…要宮さん、確かに学校で話してるの余り見ない…もしかして、人見知りですか?」

「ぷっ……」

要宮さんが突然笑った。

な、なに!?私、変なこと言った覚えないんだけれども…

「あ、あの……」

私が戸惑いながら要宮さんを見ると

「あぁ、ごめんね!つい…ぷふ……君、なんで笑ってるのか分かる?」

と尋ねてきた。

「え、えーと…分からないです。」

「ヒント。さっき君が言った言葉。」

私がさっき言った言葉……?

「も、もしかして、人見知りって言った事ですか?」

「そう、それそれ!人見知りって僕、寧ろ人と話すの好きだよ?」

要宮さんは私に微笑んだ。

ドキッ

ん?なんだろう。ドキッってなに…?
なんか、胸が熱い。

「はー、僕、人見知りなんて初めて言われた!そんな君には、話しても問題なさそうだね、性格の事…」

そう言ってはにかんだ笑顔にまた私の胸が熱くなった。まるで、暖かいココアを飲んだ時のように。



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