いい加減、好きって言わせろ
「ゴメン、ちょっとで帰るから」
私の耳元で囁いた時の笑顔がハンパじゃなくかっこよくて、頬を赤く染めずにはいられなかった
「ほらほら、上がってちょうだい」
お父さんは、会社の社長で家は一般の人から見ると豪邸と呼ばれるもの
お母さんは、星真くんに来客用の水色スリッパを玄関において手招きをする
「すみません、こんな時間に
おじゃまします」
家、チョーおっきいじゃん
コソッとつぶやいた星真くんの声を私はうまく耳でキャッチした
それにしても……
「お母さん‼‼‼
あんまり調子に乗らないで!!」
「おぉ、いい男だなぁ
なんだ、琉奈
彼氏を紹介するなら言ってくれないと
お父さん、こんな格好じゃ恥ずかしいじゃないか」
「お父さんまで!!
星真くんは彼氏じゃない!!
それに、星真くんは学園の王子様なの‼
私なんかを選ぶわけないでしょ!?」
「ほら、そんなに興奮してると脳みそぶっ壊れちゃうわよ」
「お母さん、ふざけないで!」
「俺が学園の王子だからお前を選ばないって根拠はないだろ?」
「キャー」
「いいこと言うな~、星真くん」
「なんなのー…
にぎやかだねぇ、ホントにもう」
とパジャマ姿でお風呂上りのお姉ちゃん
「あら、琉海奈(ルミナ) お風呂、もう上がったの?
じゃぁ、琉奈入ってきなさい」
「星真くんいるのにお風呂なんて入れないよ!!」