いい加減、好きって言わせろ

――ピーンポーン

ドキドキ胸をならしながらインターフォンへ向かった


「……はい

どちら様でしょうか?」


あきらかにくぐもった琉奈の声


「俺だけど……星真」


「ぇ!?
やだ!

パジャマ姿だし、髪ぐちゃぐちゃ」

「っていうかお前1人?
大丈夫なの?」

「お母さんもお父さんも仕事休めないから...

上がっていいよ、鍵開いてる」



「おじゃましまーす」


「これ、今日の配布物」

「うん、ありがとう

ケホッ」


「熱は?」


「37度」


机の上に置いてある体温計は38度7分を表示しているのに気づいて思わず笑ってしまった

「嘘つき」


「うっ、嘘じゃないもん」


「いいから寝てろ」


「せっかく星真くん来てくれたのに...

寝れるはずないじゃん……へっくしゅんっっ」

「俺が添い寝してやるから」


「スー……、スー……」


「ヤバイ、可愛すぎるって」


「むぅ、星真くん……」

お、俺!?


ヤバイ、嬉しい




ほんの少し、琉奈が風邪ひいてくれて嬉しいと思ってしまう俺だった






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