俺様常務の甘い策略
げげ……この首筋の赤いのだよね?もう、次から次へと……何で厄介事が起きるかな!

藤堂の奴、今日会社あるのに何て事してくれたのよ!

絶対、私が困るのわかっててやってるよね、あの悪魔は。

バレッタを取って髪を広げ何事もなかったようにキスマークを隠す。

どうか田中さんにはバレていませんように。

【夏海ちゃん、ありがとう~】

夏海ちゃんに返事をチャットですれば、彼女からすぐにチャットが返って来た。

【相手は藤堂さんですよね?お昼休みにじっくりお話聞かせて下さいね】

チラリと夏海ちゃんに目をやれば、目が期待で笑ってる。

……そんなガールズトーク的な嬉しい話じゃないんだよ、夏海ちゃん。

私は人生最大の危機に陥ってしまって……ああ、全部夢だったらよかったのに……。

頭を抱えていると、机の上の内線が鳴った。

「はい、秘書課秋月です」

『受付の河野です。受付の方にジェイクさんていう外国の方が秋月さんを訪ねて来てるんですけど……』

ジェイク……?

外国人の知り合いなんていないんだけど……。
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