俺様常務の甘い策略
「良くわかりません。すぐに戻れないなら連絡くれてもいいのに。無責任ですよね」

俺に同意を求めるように田中さんが俺を見上げる。だが、俺は彼女の言葉に頷けなかった。

無責任……。

それこそ秋月とは程遠い言葉だ。

あいつなら必ず連絡くらいいれるだろう。社長はこれから来客らしいし、何の連絡なしに戻らないとは考えられない。

顎に手を当てて考えていると、ポケットの中のスマホがブルブルと震えた。

ポケットからスマホを取り出して見てみると、ジェイクからのメール。

メールを開いて見てみると、写真が添付されていた。

「……何で秋月が一緒に……」

犯人はこいつか。

添付写真はジェイクと秋月がどこかの日本庭園で抹茶を飲んでる姿で、思わず目を見張った。

スクロールさせてメールを見ていくと、憎たらしい文面が俺の目に入ってくる。

【姫は俺が預かった。悔しかったら取り返しに来い】

あいつ……勝手な事を……。

思わず唇をギュッと噛み締める。

ジェイクは元同僚。
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