俺様常務の甘い策略
『やっぱり好きな女は心配か?』

「就業時間中にお前に拉致されたんだ。心配にもなる」

『拉致って大袈裟だな。ちょっと付き合ってもらってるだけじゃねえか』

「どうせ秋月を無理矢理お前の暇潰しに付き合わせたんだよね?それって一種の拷問だよ。この日本庭園おたく」

『オタクって言うな。お前も日本人なら日本庭園の素晴らしさを理解しろ?』

「理解してるよ。でも、お前みたいに家の中に日本庭園の模型作る趣味は持ち合わせていない。それで、秋月電話に出してくれる」

『やーだね。悔しかったら、俺達を探しに来い。見事見つけたら大事な姫を返してやるよ』

やーだねって小学生のガキか。

俺は心の中で突っ込む。

だが、ここでこいつのペースにはまって切れたらそれこそこいつの思う壺だ。

「俺を怒らせたいんだ、お前は?」

俺はジェイクを見下すように嘲笑う。
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