俺様常務の甘い策略
『違うな。お前が焦る姿がみたいんだよ。沙羅ちゃんて言ったっけ、日本人は肌も綺麗で良いなあ。俺が頂いちゃおうかなあ?味見くらい良いだろ?』

ジェイクはハハっと声を上げて笑う。

「お前と女を共有する趣味はないよ」

『颯介ちゃんのい・け・ず』

ジェイクは囁くように言ってチュッとリップ音を立てると、電話をブチッと切った。

ぞくぞくと寒気がして気持ち悪い。

スマホには恨みはないが、睨みつけずにはいられない。

持っていたスマホを投げ捨てたい衝動にかられた。

探しに来いとジェイクは言ったが、探す必要もない。あいつが行きそうな場所は見当がつく。

「ジェイク、お前がもし秋月に手を出したら、生まれてきたことを後悔するくらいの精神的苦痛を死ぬまで与えてやるよ」

今、目の前にいないジェイクに向かって俺は残酷に告げた。
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