俺様常務の甘い策略
「わあ、素敵ね」って乙女な台詞を私が言うと思ったら大間違いだ。

「こら、このスケベ男!話を誤魔化すな!」

つねっても私の腰から手を離さないので、私は思い切りヒールの靴でジェイクの足を踏みつける。

「いでっ!」

今度は効いたのだろう。

ジェイクが身を屈めて痛みを堪えるのを見て、私は一人ほくそ笑んだ。

ザマーミロ!

「いい気味よ」

「……沙羅ちゃんって容赦ないんだな。でも、そこも魅力」

ジェイクの言葉に身の毛が総毛立つ。

あ~、気持ち悪い。この男、何とかならないの?

携帯はあきらめて、近くの交番でお金借りて会社に戻ろうか?

社長の来客だってあるのに、こんなとこまで連れて来られて……ほんといい迷惑だ。

社長の来客、夏海ちゃんが気をきかせて対応してくれただろうか?

午後はいっぱい仕事入ってるのに、何でこんなスケベ男に付き合って庭園見なきゃいけないの?
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