俺様常務の甘い策略
「え?そうなの?あはは……」

私はジェイクから目を外し、笑って誤魔化す。

BLの世界想像してごめなさい。

「藤堂の仕事には惚れるがな。抱くなら女がいいに決まってる」

ジェイクが私をやらしい目で見てニヤリ。

げげっ!

危険を感じた時にはジェイクが身を屈めて私に迫ってきて……。

「いやあー‼」

大声で叫びながら私はジェイクの腕をつかんで、気づいたら一本背負いでぶん投げていた。

ジェイクの身体が宙を飛び、土の上にドンと鈍い音を立てて落ちる。

「「あっ」」

投げた自分も、投げ飛ばされたジェイクも呆然とする。

決して私は柔道経験者ではない。

高校の体育授業の時に隣で男子が柔道やってるのを見たくらいで……。

これって火事場のくそ力?

八十キロはありそうなジェイクの身体を投げ飛ばすなんて……。

私って凄いかも。
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