俺様常務の甘い策略
「そうかな?俺は楽しんでるよ」

「恋は盲目とはよく言ったものだ。それにしても、沙羅ちゃん、たいした玉だな?」

「だろ?秋月以外の世界中の女全てお前にやってもいいけど、こいつだけはやらないよ」

藤堂が私の手をつかんで、ジェイクを見据える。

顔は笑顔だけど、目は冷たい。

「藤堂……手を放してよ」

私が藤堂に抗議すれば、こいつは悪魔のように微笑んで私の耳元で囁いた。

「駄目だよ。昨日どんなに秋月が可愛かったか全部ジェイクに話そうか?」

ううっ……この悪魔。

私は藤堂を睨み付けながらぎゅっと唇を噛み締める。

だが、こいつは再びジェイクに冷ややかな視線を向けた。

「俺から秋月は絶対に奪えないよ、ジェイク」

ジェイクは降参と言わんばかりに、藤堂に向かって手を上げた。

「ヘイヘイ、わかったよ。そんな怖い目で俺を見るな。ところで、どうしてここだとわかった?」
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