俺様常務の甘い策略
ほんと秋月って面白い。どんだけ引き出し持ってるんだろう。

「お前って本当に凄いね。あのジェイクを投げ飛ばすなんて」

「あの変な庭園オタクが私のお尻触ったりしてたから、ムカついてたのよ。自分でも驚いてるけど、気分はスッキリ。高校の体育の授業の時に、よく藤堂一本背負いでクラスの男子投げ飛ばしてたじゃない?一度、あんたみたいにやってみたいと思ってたんだよね」

へへっと秋月が嬉しそうに笑う。

「へえ、俺ので知らないうちにイメトレしてたんだ。それは光栄」

何だかんだ言っても秋月は俺の事をよく見ていると思う。

でも……ジェイクに触られたと聞くと心中穏やかではない。

そんな俺の胸中を知らず、秋月は得意になる。

「何なら今度は藤堂を一本背負いで投げ飛ばそうか?」

「あまり自分の力を過信しない方がいいんじゃないかな?そのうち痛い目に遭うよ。何なら今ここで力の差をはっきりわからせてもいいよ。昼間だって、俺に何も出来ずにキスを許したよね」

妖しく微笑んで秋月の目をじっと見ながら意地悪くからかえば、こいつは頬をピンクに染めた。
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